「ケフィア」と聞くと、昔のCMのこのフレーズ——
「ヨーグルト?いいえ、ケフィアです」
——と、ロシア人少女の(乳酸菌を大量に摂っているわりには)やや便秘気味な表情が頭に浮かぶ人もいるかもしれません。
ケフィアって何?
ケフィアは、コーカサス周辺で古くから飲まれてきた発酵乳。乳酸菌だけでなく酵母も一緒に働く“混合発酵”なので、ヨーグルトより香りが複雑で、ゆるめに固まりやすいのが特徴です。発酵は20〜25℃くらいでゆっくり進み、条件が合うとわずかにシュワっと感じることも。伝統的には「ケフィアグレイン」で作りますが、日本では粉末の種菌(スターター)が手軽なので、この記事では粉末種菌で解説します。
リトアニアではスーパーで普通に売っているケフィアですが、日本では——神聖なる密林の隅々まで探しても——プレーンなケフィアはあまり見かけません。
基本的には種菌を買って、自宅で育てるスタイルになります。
時間はかかりますが、手間自体はほとんどありません。特別な器具もいらないので、慣れてしまえばかなり手軽です。
基本の作り方
- 牛乳パックを1本用意し、牛乳1000gに対してケフィアの種菌10gを加えます(=1%)。※商品に推奨量が書いてある場合はそちらを優先。
- パックの中でよく混ぜ、注ぎ口を洗濯バサミなどで軽く閉じます(密封はしない)。
- 室温で約24時間置いておきます(目安:20〜25℃)。
ヨーグルトと違って、ケフィアの菌は比較的低めの温度(20〜25℃前後)でも育ちます。
そのため、40℃前後をキープするタイプのヨーグルトメーカーは必須ではありません。
もちろん、
- 季節に関係なく安定して作りたい
- 室温が極端に暑い・寒い
といった場合は、ヨーグルトメーカーを25℃/24時間設定で使うと失敗しにくくなります。
できあがりの目安(見た目だけでOK)
「何時間で完成!」と断言しづらいのが発酵の世界。なので、最後は見た目で判断するのがいちばん安全です。
- 表面がつるっとして、全体にとろみが出ている(ヨーグルトよりゆるめでもOK)
- パックをそっと傾けると、内容物がひとかたまりっぽく動く
- うっすらホエイ(透明〜薄黄色の液体)が出る程度なら正常範囲
失敗しやすい季節別の調整
同じ24時間でも、室温でかなり変わります。目安はこんな感じ。
- 夏(室温が高い日):発酵が早いので、18〜24時間あたりで一度「できあがりの目安」をチェック。固まっていたら冷蔵庫へ。
- 冬(室温が低い日):発酵が遅く、1日で固まりきらないことがあります。見た目がまだサラサラなら、温度を上げる(ヨーグルトメーカーの25℃設定)か、時間を延ばして再チェック。
分量とケフィアの使い道について
このレシピだと、ケフィアが1000gでそこそこの量になります。
少し多めに感じるかもしれませんが、
- ケフィアは牛乳パック1本で仕込んだほうが楽
- 中途半端に余らせると、逆に使い道に困る
という理由で、この分量に設定しています。
もちろん、
- 500mlの小さいパックで仕込みたい場合
- まずは少量から試してみたい場合
は、種菌を半量(5g)にすれば手軽に作れます(比率は同じく1%)。
冷蔵保存の目安
完成したら冷蔵庫へ。冷蔵庫でも発酵はゆっくり進むので、日が経つほど酸味が強くなったり、分離しやすくなったりします。
保存期間は作り方・温度・清潔さで幅が出ますが、まずは3〜7日くらいで飲み切るつもりで運用すると安心。衛生的に扱えていれば、もう少し長く保つケースもあります(ただし自己責任で、カビ/変色/不自然な膨張などがあれば潔く捨てるのが正解)。
使い道(3つだけ)
- スープ:シャルティバルシチェイ(冷たいビーツスープ)のベースに。
- ドリンク:スムージーに入れる/そのまま飲む。フルーツやグラノーラと合わせてもヨーグルト感覚で使えます。
- 生地:パンケーキやワッフル等に、バターミルクの代わりとして使う(うちの実家はこの方式でした)。
粉末種菌と「グレイン」の違い(日本だとここがややこしい)
ケフィアには大きく2つのタイプがあります。ただし日本では「ケフィアグレイン」という言葉が、粉末スターターやサプリの商品名としても使われることがあり、検索すると情報が混ざりがちです。
- 粉末の種菌(スターター):日本でいちばん入手しやすいタイプ。牛乳に混ぜて置くだけで作れます。
科学的には:乳酸菌・酵母などの培養菌を凍結乾燥などで乾燥して休眠状態にした「スターター培養」。水分と温度が戻ると増殖して、発酵(酸生成など)を進めます。 - ケフィアグレイン(粒状の菌叢):本来は繰り返し培養して使うタイプ。ただし日本では安定して手に入るとは限らず、見つかるとしても乾燥グレイン(輸入品)が中心になりやすいです。乾燥タイプは最初に活性化(慣らし)が必要で、立ち上がりに時間がかかることがあります。
科学的には:主に乳酸菌が作る多糖(代表例:ケフィラン)の立体マトリックスに微生物が埋め込まれた共生体(バイオフィルム様の構造)。発酵中に“粒”自体も増えていきます。
この記事では、日本で入手性と再現性が高い粉末スターターを前提に説明しています。
日本で揃えやすいもの(通販)
日本だと、ケフィアの材料や道具は店頭で見つけにくいので、通販で買えるものだけまとめておきます。
- ケフィア種菌(粉末スターター)
- ヨーグルトメーカー(25℃設定できるタイプだと安定)
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